中学生で
「本気でイヤになるくらい勉強をたくさんしてもまったく成績が上がらない」
という悩みを抱えている人に、まったく勉強のできないウチの中学生の息子(ADHDor学習障害グレーゾーン)で効果のあった勉強法を紹介します。
この勉強法を行っていけば、最低でもいくつかの科目で80点はとれるようになります。
もくじ
ADHDでもやるしかない
うちの息子(中一)は、小学生のときは成績はごくふつう、中の中くらいでした。
持ち物をよく無くす(文房具など)・行動を注意してもまったく改善しない(靴下を脱いだらカゴにいれるなど)ということはあるものの、まだ小学生なのでおっちょこちょいなだけでそのうち良くなるだろうと考えていました。
中学生になりそろそろ勉強も本腰を入れねば、と少し勉強を見てやっているとちょっと異常かと思えるくらい物覚えが悪いことに気がつきました。
これはさすがに何かの症状かもしれない、とネットで調べてみると「ADHD(発達障害)の不注意優勢型」の基本的な特徴にほとんど100%一致していたのです。
2.不注意優勢型
・気が散りやすくて、物事に集中することが苦手
・やりたいこと、好きなことに対してはとても集中して取り組むが切り替えが苦手
・忘れ物や物をなくすことが多く、ぼーっとしているように見えて人の話を聞いているのか分からない
・幼い子どもの頃は、ADHDではなくとも忘れ物が多い人が少なくないため、ADHDと気づかれにくい。出典:LITALICO発達ナビ
これがなかなか勉強には向ていない特性でして、一番困るのが前日に学習したことを次の日にまったく覚えていない、ということが頻繁に起こります。
ふつうの子どもが1回か2回で覚えるような事も、5回10回も繰り返さなくては覚えられない。
なので勉強のスケジュールも大幅に遅れていきます。
ADHDでも個人により教科の得意不得意があると思いますが、ウチでは特に数学で苦戦しました。
文章が読めない子ども
ウチの子は、国語も数学も文章問題がとにかくできませんでした。
その原因を探っていくと、どうやら「文章に書いてあることが正しく理解できていない」ということがわかりました。
「公立中学生の約5割は教科書が理解できない」NIIの予備調査で判明
・公立中学校6校の生徒計340人のうち約5割が教科書の内容を読み取れておらず、
・約2割は基礎的・表層的な読解もできていない出典:カナガク
「文章問題の答えがわからない」のではなく、そもそも「問題文に何が書いてあるのか理解していない」ということ。
上の引用記事のように、文章の係り受けなどの基本構造を理解できないということの他にも、「自分の都合のよいところだけ読む」という習性も持っています。
例えば
「勉強で大切なのは、授業の予習と復習である」
という文章。
この中で「復習」という単語の意味がわからない、知らないとします。
そうすると、復習のところを無視して
「勉強で大切なのは予習である」
というふうに読んでしまいます。
きちんと文章を読もうとする姿勢があれば、単語の意味がわからないとしても、その場では前後の文脈や語感から類推して読み進めます。
でも、文章を読めない子というのは、「わからないところは無視」するという読み方をします。
その後に意味を調べることもしないため、語彙力が増えていきません。
読解力を向上させるのには、即効性のある方法がありませんので地道な努力が必要になります。
なので、当面は「国語」「数学の文章題」「理科」は苦戦を強いられます。
英語も最初のうちこそ暗記でいけますが、すすむにしたがい文章理解が必要になってくるので点数はとれなくなります。
授業内容の勉強の他に、「読解力の底上げ」を日常のルーチンに加えるべきです。
勉強法の基本形をアレンジ
勉強法の書籍やサイトで紹介されいてる定型の勉強というのは下の2つです。
教科書の内容を理解する(予習・復習)
学校配布の問題集(ワーク)を完璧にできるようにする
この2つだけで、地頭の良い・要領の良い子は90点以上とれるようになります。
ただ、ウチの子のようにグレーゾーンの子や、物覚えが悪い子どもは自分でこれらを行っても結果は平均点以下になるでしょう。
まず「授業の内容を理解する」ということがむずかしい。
通常は、
「自分で教科書を読む」
「先生の話を聞く」
この2つで理解するものです。
ですが「できない子」は、これでは理解できません。
あらためて教科書を読んでもらうとわかりますが、教科書というのは非常にわかりにくく書かれています。
「わかりにくい」というより、「覚える・理解するのに適していない書籍」です。
そこで効果的なのが、
Youtubeの講義動画
「くもんの基礎がため」
の2つを活用することです。
Youtube動画は授業よりわかりやすい
はっきり言って動画は授業より全然わかりやすいです。
学校には動画のようにわかりやすく教えられる教師はほぼいません。
息子は「段違いで動画のほうがわかりやすい」と力説しております。
5教科ぶんありますので、まずは一度見てください。プロの講師はこんなにもわかりやすいのか、と驚くと思います。
まずは、大手のところ。
教科ごとに講師が違いますが、さすがにプロの講師の技量はすごいです。
次は個人で運営しているところ。
ちょっと手作り感ありますが、これが味になっていて良いです。
トライよりこっちのほうがわかりやすい時も多々あります。
問題集は基礎レベルの物に集中
学校で使っている問題集(ワーク)は、質が高くテストに類似問題が出る可能性が高いため、もちろんやるべきです。
ただ、「物覚えの悪い子」は、より基礎的なことに集中して取り組む必要があります。
よく「100点をねらって90点がとれる」などと言いますが、それは標準以上の学力のある子どもの話で、われわれは「85点をねらって80点をとる」作戦です。
その方法に最適な教材が「くもんの中学基礎がため」シリーズです。
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これの何がすばらしいかと言いますと、これは問題集なんですが、問題の前に「最低限の問題の解き方」が解説してあります。
この「最低限の」というところが重要でして、理解力の低い子どもはあまり活字がつまって書かれていたり、たくさんの項目があったりすると、それだけでやる気を無くし戦意喪失します。
なので、くわしい解説や余計な装飾はないほうがよく、シンプルに最低限の記述のほうがありがたいのです。
実際にそれくらいの知識であっても基礎的な問題はほとんど解けます。
難しい発展・応用問題は最初から捨てる勇気が必要です。
はっきり言って、難しい問題を解こうとする時間と労力を他の基礎的なことに割り振ったほうが得点数は高くなります。
ですので、これは個人差がありますが「くもんの基礎がため」の中でも1~2割くらいの問題は無理してチャレンジしなくて良いでしょう。
実際の学習のやり方は、直接に紙面に書かずに必ずコピーをとってそれに書き込むようにします。
やり終わったあとは間違えたところをチェックして、なぜ間違ったかの確認。
そして明日以降にもう一度コピーして「間違えたところだけ」にチェックを入れて、昨日できなかった問題だけをもう一度解きます。
こうして全部の問題を解けるようになるまでやります。もちろん1割の難しい問題は最初からやらなくてOKです。
ここで大切なのは、間違えた問題を繰り返し解くときに、面倒でも必ずコピーして書き込みがない状態の問題用紙にやるようにしてください。
理由は答えが見えてしまうこともありますし、「読解力がない子」は集中力もありませんので、まっさらな用紙でないと集中力がそがれますので。
「できない子」の勉強のスケジュール
もちろん教科ごとに学習方法は違うのですが、全体に共通する勉強の手順です。
- 動画で学習
- くもん基礎がため
- 学校の問題集
- 2、3を繰り返す
記憶力が低い子は、一度覚えたとしてもすぐに忘れてしまうので定期的に繰り返してやることが大切です。
スポーツのように、毎日少しづつ積み重ねて頭に刷り込むしかありません。それくらいの覚悟が必要です。
各教科ごとにの学習の他に、読解力の習得も必要になります。
各教科ごとの勉強方法はまた別に記事にします。