まったく勉強しない中学生の子ども。困ったものですよね。
自主的に勉強しない子どもを勉強させるにはいくつかの方法があります。
説得
欲で釣る
強制
の3つ。
これを軸に子どもと共に学習をし続けていくことは大変な労力です。
ただ勉強に時間を費やせばいいわけではなく、綿密な計画とあきらめない気合が必要になります。
成績・受験とは結局のところ他の子どもとの競争。
まずはじめに、受験で勝ち抜くような人間はどういう意識で勉強に取り組んでいるのかを知ることです。
細かいテクニックより成功者たちの「勉強に対する心構え」「徹底する精神」に感化されることがまず肝心。
そのために最適な3冊を紹介します。
効果的な時間の使い方を徹底すべし
著者の清水氏は、東京大学在学中から起業し私立中学のスタッフもしていたという教育の専門家。
それだけでもすごい経歴ですが、中学高校を通じて部活その他のたくさんの活動に身を投じています。
海城中学時代に生徒会長、サッカー部、応援団長、文化祭実行委員などを経験しながら東京大学に現役で合格。
各種の活動に忙しく立ち働きながら、高成績を収めていくのには高度な自己管理能力が必要になります。
それも誰に強制されたわけでもなく、自分自身が勉強法を決め、時間を管理し結果を出していたのですから驚きです。
とくに部活動は練習時間が長くたくさんの時間がとられますので、勉強との両立に悩む子どもが多いでしょう。
そのギリギリのスケジュールの中で、いかに効果的に勉強をしていくかということを基本概念と具体的テクニックを織り交ぜて教えてくれます。
私が部活や生徒会活動と勉強を両立できたのは、次の3つをコントロールするチカラをつけたからです。
1 「自分」をコントロールするチカラ→自己管理能力(セルフマネジメント能力)
2 「時間」をコントロールするチカラ→時間管理能力(タイムマネジメント能力)
3 「記憶」をコントロールするチカラ→記憶管理能力(メモリーマネジメント能力)
詳しい説明は後でしますが、この3つのチカラは、とても大切な力です。
この3つのチカラをつけると、成績も上がりますし、時間の使い方もうまくなります。
遊ぶ時間も増やすことができます。
このようなことを自分で考えて行動していたということです。
いやあほんとうに恐るべき子どもですね。
こちらは資質面でかなり劣っているのですから、ほんとうに心してかからなくてはなりません。
厳しい環境の中で受験を勝ち抜い智者・勇者。
少しでもここからエッセンス・精神を取り入れるべきです。
子どもの個性に関係なく偏差値は上げられる
(2023/12/04 18:32:33時点 Amazon調べ-詳細)
著者の佐藤氏は4人の子ども(男の子3人女の子1人)を東大に合格させています。
子どもが2人以上いる人はわかると思いますが、同じ父母から生まれて同じ環境に育った子どもでも、個性や能力はまったく違います。
4人子どもがいて全員が「放っておいても自主的に勉強して理解力に優れている」なんてことはないでしょう。
でも、4人とも東大に入学したということは、生まれつきの子どもの能力がすべてを決めるわけではなく、やり方によっては子どもの学力を高次元にまで上げることは可能だということです。
「うちは両親とも学歴がないから、子どもも勉強は無理だろう」と言う方がたまにいらっしゃいますが、それは間違いだと思います。
もちろん、子どもと親の学歴がまったく関係ないとまでは言い切れませんが、きちんとした努力によってどんな子も行きたい大学に合格できるようになります。
では、「きちんと」とは何か。私は、それはお母さんの覚悟のことだと思います。
子どもの個性・能力を見てあきらめてはいけません。
4人の子どもを東大に入れた佐藤氏の言うことだからこそ説得力があります。
東大はともかく、親の覚悟次第で学力向上は可能なのです。
そういうときに「早く起きなさい!」と怒鳴り散らしていたら、どうでしょうか。
自分も嫌だし、子どもたちも不快な気持ちで1日をスタートさせることになります。そこで私は、並んで寝ている3人の掛け布団の下のほうをめくって、6本の足にパパパッと靴下をはかせるようにしていました。
靴下をはかせたら、あとはまた布団を元に戻して放っておきます。
そうすると、どうも気持ちが悪くて寝ていられないのか、一度足下に冷たい空気を感じたからか、少し経つとのそのそと起きだしてくるのです。
参考書や塾の選び方だけではなく、「朝の起こし方」までもオリジナルの知見に基づいた方法で行っています。
それくらい生活全般にまで目を光らせ、勉強の効果が最大限になるように日常が構成されています。
ただ「勉強しなさい」などと言い放つだけではなく、受験に向けて家での時間はすべて付き添うぐらいの覚悟が必要です。
佐藤氏も言っていますが、すべて模倣するということではなく、子どもや環境を考え自分にあったものだけを取り入れればよいのです。
何事も無条件に受け入れるというような他力本願的な思考こそ忌むべきものです。
ただ、佐藤氏の受験に対する多大な情熱は大いに見習うべきでしょう。
周辺環境から変えないと成績は上がらない
(2023/12/05 08:07:24時点 Amazon調べ-詳細)
著者は茨城で塾を経営する河原利彦氏。
県トップの進学校に多くの生徒を送り込んでいます。
私は教室でよく子どもたちにこう言っています。
「バカとは付き合うな!」
ここで言う「バカ」というのは、「自分に悪影響を与える子」という意味です。子どもにはわかりやすいように、あえて「バカはうつる」と言っています。
多少きつい言い方ですが、結果的にはこれを守った子は良い結果を出しています。ともかく、子どもに限らず、他人の影響を受けるのが人間の本能であり、本当は自分で決断などできないということを忘れないでください。
「バカとは付き合うな!」
これ、もうすごいインパクトですね!
少し言葉が極端ですけど、価値観の多様性とかそういうことは置いといて、完全に「受験の成功」に観点を向けてしゃべってますからね。
子どもは「好き嫌い」とか「なんとなくウマが合う」ということで友人付き合いをしているでしょうし、成績の悪い子どもと付き合わないようにさせるというのは少し現実的ではないと思います。
しかし、毎年たくさんの受験生と接している著者の実感として、「勉強しない子」の友達は「勉強しない」という傾向があるそうです。
これはそんな難しい話ではなくて、誰でも実感としてありますよね。「類は友を呼ぶ」というやつ。
実際に子どもの交友関係を操作するかどうかはともかく、こういう、ちょっと言葉にしにくいことも遠慮せず言い放つのが著者の真骨頂。
もしも、あなたがお子さんを偏差値59以上の高校に入れたいのであれば、親がその環境を意識して作ってあげなければなりません。
ちなみに、茨城県偏差値ランキング1位(偏差値72)の県立高校に通っている生徒の90%はテレビを見ていないそうです。
頭がいいから見ていないのではありません。テレビを見なかったから頭が良くなったのです。前述したたように、生まれつきの頭脳はみんなほとんど同じです。バカはいないのです。
バカを作っているのは環境にほかなりません。
細かい受験テクニックなどより、まずはこういう本気で受験に取り組む親や講師たちの発言は十分にチェックし、自分の中に取り込むべきです。
現実に「やる気がない」という時点でそうとうなハンデを負っています。
成績の大幅な上昇を成し遂げるために、圧倒的な結果を出している人から積極的に感化されるべきです。
まとめ
今回は「中学生の成績アップのために親が必ず読むべき本3冊」をお伝えしました。
「まず親が覚悟を決める」のが、やる気のない子どもの成績をあげる前提条件です。
この三冊を読めば、自分の「やる気」がまだまだ足りず、受験に挑む気持ちが甘かったと知るでしょう。
細かい技術は、ベースとなる覚悟・思想があってこそ生かされるものです。
まずは意識面の改革からしっかり取り組み、生活全般を勉強のためのものに構成しなおすべきです。