「中学で国語がまったくできなくて点数も悪い。どうしよう?」
と困っている子、いますよね。わたしの息子も国語の点数がかなり悪かったのですが、ある方法で読解力を鍛えたらすぐに20点ほど点数がアップしました。
今回は「文章読解の苦手な子がテストで高得点をとれるようになる方法」を紹介します。
もくじ
国語の成績が悪いのは「文章が読めないから」
英語は文法や単語、数学は公式や解き方を覚えることによって、テストである程度の点数を取れるようになります。しかし、国語では「単純に何かを覚えること」で成績を伸ばすことはできません。
国語のテストで出題される文章読解の問題は、「文章に何が書いてあるか」をきちんと理解していないと正解するのは難しいです。そして「文章の読解力を身につける」のは英語の文法や数学の公式を覚えるよりもずっと手間のかかります。
しかし、こまったことに効果的な「文章の読解力をつける方法」というのは学校での指導は行われておらず、定番の勉強法などもないに等しい状況です。
日本人の3分の1は文章を理解していない
「文章読解力がなければテストで高成績はとれない」ということを上では述べましたが、では実際には「現在の中学生の読解力」とはどれくらいのレベルなのでしょうか?
中学生の読解力を試すためのテストの中に、以下の問題がありました。
・幕府は、1639年、ポルトガル人を追放し、大名には沿岸の警備を命じた。
・1639年、ポルトガル人は追放され、幕府は大名から沿岸の警備を命じられた。
以上の2文は同じ意味でしょうか。出典 : 「教科書が読めない人」は実はこんなにいる
この問題、中学生の正答率は「57%」だったそうです。中学生の4割近くが、かんたんな文章の意味も読み取れないという結果になりました。「国語がまったくできない子」ではないふつうの中学生もかなりの割合で「文章を正確に読み取る能力」が足りていないことがわかります。
読解力は他の教科の成績にも直結する
「文章をきちんと理解する力」これは国語のテストだけではなく、数学や理科などの各教科での成績にも直結する能力です。
わたしの息子もテストで間違えたところを確認しているときに、「記号で答えよ」と書かれている問題に記号で答えていなかったり「質問文を正確に読めていない」ことが原因と思われる間違いが良くありました。
どの教科でも「質問文は何を問うているのか?」を理解していないと、テストで正解を出すことはできません。国語以外の教科でも「文章をきちんと理解する力」は、テストで結果を出すために必ず身につけなくてはならない能力です。
読解力があれば自分の将来も明るくなる
中学生の4割近くが「文章に何が書いてあるか読み取れない」という現実。しかしこれは中学生に限った現象ではなく「先進国の成人の半分が簡単な文章を読めない」という調査結果があります。
・言ってはいけない!「日本人の3分の1は日本語が読めない」
https://bunshun.jp/articles/-/10714
しかし、これは個人にとっては決して悲観すべき事実ではなく「標準レベルの読解力」を身につけていれば「社会で自分が優位に立てる場面はいくらでもある」ということです。
中学の成績のためだけではなく、自分の将来のためにも「読解力を身につける」にはどうしたら良いか。わたしの「まったく読解力のなかった息子」で実行して効果のでた対策を紹介します。
中学生が読解力を上げる方法
中学で国語の成績を上げるためには、教科書での勉強の前に基礎的な読解力が必要です。では、実際に「中学生が読解力を上げていく方法」を見ていきましょう。
要約文を書くことが読解力アップへの近道
わたしの息子も小さいころから「本を読むことのまったくない子ども」で、中学に入ったときの読解力はかなり低いものでした。テスト結果の確認から「読解力はまったく足りていない」ことがわかりましたので、まず国語の成績アップの方法が書かれた書籍を探しました。
同じような悩みを持つ人も多いのでしょう。同種の書籍は数多くあり、その中で目ぼしいものを5冊ほど購入して実践してみました。その中でかなり効果が実感できたのが「要約文を書く」という手法です。
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子どもの書いた要約文を見ると、その子の実力が一目でわかります。本文の大切なところがきちんと読み取れているかどうかはもちろん、指示語の内容を正しく理解できているかどうかもわかりますし、語彙力がどの程度なのかもわかります。
出典:要約力を鍛えるとどんな子も「本物の国語力」が身につく
「要約文を書く」ことは、その文章に書かれていることを正確に理解していないと不可能な行為です。もし、その文章の内容を間違えて捉えてしまっていたら、正しい要約文は書けません。
言い方を替えれば、要約文を書く力をしっかりつけていきさえすれば、子どもの国語力は間違いなく伸びていきます。それは、私の過去30年間の国語指導で出会った子どもたちが証明してくれています。
出典:要約力を鍛えるとどんな子も「本物の国語力」が身につく
著者の長い指導歴でも、最も効果のあった読解力アップの方法とのこと。わたしの息子に実際に取り入れたところ、三ヵ月ほどで効果が出始め、半年たつと目に見えて読解力が上がりました。
「書く」ということは考えること
要約文を書くことができるということは、その文章が全体で何を言いたいのかがわかるということ、文章の中でどこが大切であるかがわかるということなのです。それさえわかれば、国語の問題の設問に対する答えは自然と浮かんできます。
出典:要約力を鍛えるとどんな子も「本物の国語力」が身につく
「要約文を書く」という行為を重ねていくと、「文章が伝えたかったこと」を掴む能力が飛躍的にアップします。「読解力」とはただ「字を読む」だけではなく、頭の中で「理解」すること。読解力のない子は「文章を読んでも頭に入ってこない」状態ですが、この方法では無理にでも文の内容を頭に詰め込むことが求められます。
「要約文を書く」ことで読解力を上げるための効率的なノウハウと、挫折しない実践方法が具体的に述べられているのが本書。手間と時間はかかりますが、結果的に読解力をアップする一番の近道でしょう。
要約文を書けば、記述問題にも強くなる
要約文を書くときは本文中の言葉を取捨選択してまとめますが、この作業はそのまま記述問題の練習になります。
出典:要約力を鍛えるとどんな子も「本物の国語力」が身につく
テストでは選択式の問題だけではく、記述問題も大きなウェイトを占めています。「書く」ことを要約文で繰り返すことは、記述問題への効果的な対策となります。
国語力を伸ばすには、この書くと言う積極的な作業が大切であると、私はこれまでの指導の経験の中で確信しています。そのための最適な学習法こそ「要約文を書く作業」なのです、そのための最適な学習法こそ「要約文を書く作業」なのです。
~中略~
国語を苦手としている子は考えること、頭を使うことを避けようとします。そして安易な選択肢の記号問題や抜き出し問題ばかりに走ってしまいます。それでは、いつまでも直感に頼るようなもので本当の学力はつきません。力がつくのは考えるからです、頭を使うからです。
出典:要約力を鍛えるとどんな子も「本物の国語力」が身につく
「読解力がない」「読解の問題が苦手」という子は、「考える」ことが苦手であることが多いです。「言葉」「文章」を元に思考をするという行為をほとんどしたことがない子が大半。
良く読解力を上げる手段として「どんどん本を読め」などの読書奨励がありますが、ほとんど意味がないです。まず、「読解力がない子」は文章に何が書いてあるかわからないのですから読書自体が苦行でしょうし、たとえ読んだとしてもほんとうに字を読んだけでほとんど頭に入っておらず、読解力アップの効果は望めません。
「文章を理解する努力」が必要になり「理解したどうかの確認」もされてしまう「要約文を書く」という行為が、単純な読書よりも効果的なのです。
要約文の書き方
具体的な要約文の書き方は、まずは短い文章を25字程度でまとめるなどのかんたんな要約文から慣らしていきます。
そして要約文というものが理解できたなら、国語の問題集の問題文を300字ほどで要約文にする練習を繰り返していく。(本書には小学生、中学生から高校生まで年代別に要約文作成に使う問題集のおすすめが掲載されています。)
その問題集を使って、一週間に2つほどの要約文作成を三ヵ月ほど続けることで、読解力がついたことが実感できるようなってくるのです。やはり最初はなかなかうまく作ることはできませんが、要約文作成の基本的なノウハウがくわしく解説されているので回数を重ねれば誰でも標準レベルのものを作れるようになります。
まとめ
今回は「中学国語の成績をアップさせる方法」をお伝えしました。
子ども時代に身につけた要約力は、単に受験に役立つだけではありません。一度身につけた要約力は落ちることはなく、一生ものになるのです。
出典:要約力を鍛えるとどんな子も「本物の国語力」が身につく
読解力がついて要約する力を手に入れれば、職場での指示の解釈や報告書作成などあらゆる場面で役に立ちます。
テストの読解問題も確実に点数アップするので、今すぐにチャレンジを始めましょう。
「要約文の大切さはわかったが、三ヵ月も続けられない」という子はぜひ以下の記事を参考にしてください。
