日本の歴史のマンガを買いたいんだけど、「集英社・小学館・角川」のどれにしようか迷っている。
という人はけっこういると思います。
わたしもどれにするかけっこう悩んだけど、角川を買いました。
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結果、角川にして成功でした。
あらゆるところに子どもが興味をもって読みたくなる工夫が施されています。
感想と特徴を紹介ます。
この記事の内容
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子どもたちが確実に読みたくなる絵
子どもにも人気の有名な漫画家が表紙を書いています。
- スタジオジブリの近藤勝也
- 「ケロロ軍曹」の吉崎観音
- 「DEATH NOTE」の小畑健
わたしは小畑さんしか知らないんですけど、けっこう知られた人たちらしいです・・・。
この方たちは表紙だけですが、本文のマンガも今風の絵で、少年マンガ誌などに連載されていても違和感のない雰囲気です。
30年以上前の、私の子どものころの「日本の歴史マンガ」は横山光輝三国志のような絵でした。
さすがに今の子どもたちは、あの絵では読み続けてくれないでしょう。
今の子どもたちが、自然にマンガに入っていけるような絵と構成になっています。
教科書的でない「人間の物語」
「マンガ日本の歴史」といえば、昔はいきなり事件が起こり教科書的に説明が入るあくびがでるような内容でした。
本書では登場人物をあくまで感情のある一人の人間として描いています。
そこに歴史上の出来事やその時代の暮らしなどを描くため、感情移入しやすく話に入り込める。
例えば弥生時代の章では、北九州のツル村にすむ「クロ」という少年と、大陸から来た進んだ知識を持った少年「シロ」の交流を軸に物語が展開します。
二人はやがて大人になり、時代の流れに巻き込まれていく。
あくまでも「キャラクター」である一人の人間を中心に物語として描かれていて、昔のように説教・講義調ではないので飽きが来ません。
「歴史をマンガにした」
のではなく、
「面白いマンガの内容が歴史」
という感じ。
とにかく子どもに読んでもらおうということが第一に作られています。
子ども目線にあわせた内容
歴史的事件でも、そこをあまりくわしく説明せずにサラっとした内容になっています。
そのため、15巻と他社より少ない分量で終わっているんですね。
この本の目的は本格的に歴史を学ぶことではありません。
やはり第一に子どもに歴史に興味をもってもらうこと。歴史って面白いと思ってもらうこと。
そして、「日本の歴史を通史的に見る」という感覚を養ってもらいたいので、分量はあまり多すぎないほうが良いでしょう。
なのでこれくらいでちょうど良いのではないかと。
「善悪史観」から離れる
ひと昔前にあったような、歴史のどの場面においても「善玉悪玉をきめて勧善懲悪的な物語に落とし込もう」という観点はかなり薄くなっていて好感がもてました。
歴史の事件や人物にはいろんな角度から様々な見方があります。
場所により評価も異なるものなので、最初からあまり歴史の事象・人物にたいして、好悪・善悪の固定観念をつけないほうが良いでしょう。
良くないところ
表紙が固い紙ではなく、剛性がないので耐久力の点があまりないです。
でもB6相当のサイズなので、取り回しは良いです。
まとめ
「大人の説教」とならず、いい意味で子どもに目線を合わせた良い本になっています。
現在の他社のシリーズを読んだことがないので比較の点では何とも言えないですが、数十年前の大手出版社のシリーズよりは確実にレベルが高くなっていて驚きました。
今出ている日本の歴史マンガの中では最後発らしいので、よく研究されているんでしょう。
ウチの小学生の子どもも良く読んでいて、会話の中にも歴史の話が出てくるようになりました。
とにかく子どもに最適化されているので読むことを強制しなくとも、トイレなどにそっと置いておけば勝手に読むようになりますよ。
けっこう良い値段がしますので「買ったはいいけど読まない」が一番こわいですからね。
その点は、角川のシリーズは心配ないでしょう。
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